マイホームを諦めた話

子どもできたしマイホーム、ほしいよね

子がお腹にいるうちから家探しをスタートさせ、都心部に勤務する夫がなるべく通勤しやすい場所に絞って建売や注文住宅を何件か周りましたが、夫が転職し3年目だったこともあり予算に合う家はなかなか見つからず。恥ずかしながら、その時になって初めて銀行からお金を借りるのに勤続年数が重要視されるのだと知りました。

そんな安直な理由で我が家のマイホーム探しは始まりました。笑

家、買えないってよ。

それでも探し続ければいつかはいいなと思う家に出会えるもので、これならば買ってもいいかと夫と意見が一致し早速マイホームの仮審査へ。

待つこと一週間。しかし担当の方からの連絡が一向にない。痺れを切らした私が夫をつつくと、「そういえばメッセージが来てた」と一言。なんじゃそりゃと確認すれば、メッセージには担当からの「審査落ち濃厚」の文字。どういうことかと夫に確認させ、審査落ち濃厚の理由を聞き出しました。

担当の方から伺った話によれば、夫の名前がいわゆる「ブラックリスト」に入っていたようだとのこと。ブラックリストとは家賃やクレジットカードの滞納などで登録されてしまうという、入ってしまったら終わりの闇のリストですね。上記のことから向こう5年はマイホームを見送ったほうがいいと苦々しい口調で助言され、夢破れた私たちは肩を落としました。

でもさ、マイホームって別に必須じゃないよね

買えないもんは仕方ない。今までの自分たちの行いが悪かったのだ、次は気をつけよう──そうして家探しはスパッと諦めました。別に、マイホームがないと死ぬわけではない。欲しかったけど、別になくても困らないのだ。賃貸があるかぎり。憧れのマイホーム、とっても欲しかったけど!

……でも今思えば、あの頃の私はいわゆるマタニティーハイという状態だったんだなと思います。冷静に考えたら勤続年数3年の夫が借りられる額なんて本当に少なかったし、買おうとしていた家は通勤に便利なだけが取り柄の超田舎でした。恐らく要するにただ、「まだ見ぬ新しい家族のために」などと言いながら、私や夫はぼんやりと揺るぎない家族の居場所みたいなものを欲していただけなんじゃないかと感じます。

そんな私たちが見つけた居場所とは

私たちはそれから何度か転居を繰り返し、現在はとある市営住宅に入居し2年目に突入しました。収入により家賃が決まる中堅層向けの市営住宅。築年数はそれなりに古いけれど都心部にありお買い物や通勤に便利で、とても広くて快適です。

ブラックリスト期間の5年が経過したら家探しを再開しようとも思っていましたが、今の暮らしが思っていたよりも快適で不便がないこと、ウッドショックや都心マンションの価格高騰、コロナ、ロシアとウクライナの戦争、円安、先日発表された銀行の金利上昇などなど……様々な理由により、我が家の家探しは当分先になりそうです。笑